末廣 誠 Makoto Suehiro
プロフィール
1959年、鹿児島県生まれ。鹿児島大学教育学部音楽科卒業後、桐朋学園大学研究科修了。指揮を堤俊作、秋山和慶、ハインツ・レーグナーの各氏の師事。
1990年ワイマールで開かれた国際セミナーでハインツ・レーグナーに認められ、最終日のコンサートではイエナ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮。チューリンガー・アルゲマイネ紙で「驚くべき才能、真にプロフェッショナルな指揮者」と絶賛される。
1991年、第4回フィテルベルク国際指揮者コンクールで優勝するとともに、オーケストラ特別賞を受賞した。これを機にポーランド各地のオーケストラに客演し、ポーランド放送クラクフ交響楽団では客演指揮者を務めた。また、シレジア歌劇場で上演した《トスカ》がヨーロッパでのオペラ・デビューとなり、以降定期的に客演し、《ラ・ボエーム》や《蝶々夫人》等、数多くの演目を指揮する。これまでに、ポーランド国立放送カトヴィツェ交響楽団、シレジア・フィルハーモニー交響楽団、ウッチ・アルトゥール・ルービンシュタイン・フィルハーモニー管弦楽団、台北市立交響楽団等に客演している。
帰国後は群馬交響楽団と札幌交響楽団の指揮者を務めた。全国各地のオーケストラにも客演しており、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京ニューシティ管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、山形交響楽団、千葉交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、広島交響楽団、九州交響楽団、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラを指揮している。1999年、ジャズ界の巨匠チック・コリアと共演し、絶大な信頼を寄せられた。
多彩なジャンルに精通し広範なレパートリーを誇るが、なかでもオペラやバレエの舞台作品において発揮される深い洞察力、演劇的表現を音楽と結び付ける手腕には定評があり、常に高水準の演奏を引き出す技術は高く評価されている。欧州や日本国内において、オペラでは《フィガロの結婚》、《ドン・ジョヴァンニ》、《コジ・ファン・トゥッテ》、《魔笛》、《椿姫》、《リゴレット》、《こうもり》、《メリー・ウィドウ》、《セビリアの理髪師》をはじめとする多数の演目を指揮し、《後宮からの逃走》では指揮のみならず演出も手掛け、初演にも数多く携わっている。バレエでも《くるみ割り人形》、《白鳥の湖》、《眠りの森の美女》、《シンデレラ》、《ロメオとジュリエット》、《ドン・キホーテ》、《ジゼル》、《コッペリア》等、数多く指揮している。
執筆活動もさかんで、2007年レッスンの友社より『マエストロ・ペンのお茶にしませんか?』を刊行。曲目“快”説と題したプログラム解説やエッセイなど、その機知に飛んだ洒脱な文章は多くのファンを得ている。東邦音楽大学では特任准教授を務めた。