01.10
2017 ARTIST

イアン・ボストリッジ、「シューベルトの『冬の旅』」出版!

イアン・ボストリッジによる待望の「シューベルトの『冬の旅』」が、いよいよ来月発売となります!
ボストリッジ_シューベルトの「冬の旅」(アルテスパブリッシング)

著:イアン・ボストリッジ
訳:岡本時子/岡本順治

発売日:2017年2月8日


当代一の名歌手が、楽聖の遺した暗号をいま解読する。

「ボストリッジは音楽の解釈者のなかでももっとも才能ある文筆家である」
──アルフレート・ブレンデル(ピアニスト)

英国の誇る世界的リート歌手が、1000回を超える演奏経験と、文学・歴史・政治・自然科学におよぶ広大な知見と洞察にもとづいて著した、いまだかつてない刺激的なシューベルト論。

『冬の旅』全曲の成立史を克明に跡づけるとともに、詩人ミュラーと作曲家シューベルトが生きた19世紀初頭のヨーロッパの文化状況や自然環境を、豊かなイマジネーションで読者の眼前に生き生きと再現する。カラー図版を多数掲載した美しい造本仕様も魅力。

すぐれたノンフィクション作品にあたえられる英国の権威ある文学賞「ダフ・クーパー賞」を受賞!


『冬の旅』ほどに複雑で強い情感を呼び起こす作品を演奏するということは、それにあらゆる面でかかわるということだ。1828年に文化という大海原に流された、瓶に入れられたメッセージが、いまに生きる私たちにどんな意味をもつのかを理解することでもある。この作品は私たちの現在の関心事にどう関連するのだろうか? まったく予期しなかったようなかたちでも、私たちとのつながりが見つかるのだろうか?(本文より)

この著作の英語のサブタイトル[Anatomy of an Obsession]が示すように、『冬の旅』にとりつかれた心を分析することで、ボストリッジは自分が音楽の解釈者のなかでももっとも才能ある文筆家に属することを証明してみせた。彼が語ることは、生き生きとして博識であり、もっとも素晴らしい意味において読者を楽しませるものである。本著は文化史を概観させてくれるばかりでなく、プレゼンテーションの大胆さと巧みさゆえに、読者をこのうえなく刺激的な知的世界への冒険へと誘うのだ。[略]
この本はより広い読者層を意識したものである。音楽用語の使用は控えてあり、さまざまな専門用語は説明がなされている。それに加えて、見識をもって選び抜いたかずかずの絵画や映像が、彼の文章をさらに豊かなものにしている。シューベルトとカスパー・ダーフィト・フリードリヒを対比させることが、これほどまでに意義深く思えることはめったにないだろう。(アルフレート・ブレンデル/独Zeit紙の書評より)
IanBostridge(c)SimonFowler