『坂東玉三郎と春風亭小朝の東京夏・特別公演』
「越路吹雪物語」&落語芝居「牡丹燈籠」
2025年7月6日(日)14:45開場15:30開演
昭和女子大学 人見記念講堂
今夏、越路吹雪の人生を玉三郎の歌と小朝の語りで綴る究極のステージ『坂東玉三郎と春風亭小朝の東京夏・特別公演』が実現します。舞台は国内外のアーティストたちによる名演で知られる昭和女子大学人見記念講堂。昨年7月、東京歌舞伎座で初上演され、舞台芸術の話題を独占した「坂東玉三郎と春風亭小朝の特別公演」が新たな演出のもと、披露されます。玉三郎&小朝の二人の現代を代表する舞台人による「越路吹雪物語」&落語芝居「牡丹燈籠」』が真夏の舞台を艶やかに彩ります。三遊亭圓朝作・落語芝居「牡丹燈籠」では、名人・小朝の語りに導かれ、妖艶な3人の女を玉三郎が語る。そして、深遠で華やかな「越路吹雪物語」は越路吹雪を題材に春風亭小朝が創作した人情話。小朝の語りと共に、坂東玉三郎によるシャンソンをはじめとした越路に所縁の深い曲を次々と披露されます。昨年生誕100年を迎えた大スター越路吹雪。彼女の人生の愛と哀しみが玉三郎の歌と重なり合う夏夜を導く世界が唯一無比のエンターテイメントとして誕生します。
出演
曲目
第一部:落語芝居
三遊亭圓朝作 『怪談 牡丹燈籠』 -御札はがし-
第二部:『越路吹雪物語』(新演出版)
チケット
全席指定:プラチナ:9,800円、SS席:7,800円、S席:6,800円
お申し込みは、備考欄にご希望の席種を記載ください。
プレイガイド
ぴあ:https://w.pia.jp/t/koshiji-fubuki/
(5月30日午前10時受付開始)
イープラス:https://eplus.jp/tokyonatsu2025/
ローチケ:https://l-tike.com/tamasaburou/
(Lコード:36968)
主催
◆主催:RENAISSANCE CLASSICS
◆後援:朝日新聞社
◆協力:(株)パシフィック・コンサート・マネジメント
劇評
玉三郎と小朝の牡丹燈籠
『坂東玉三郎×春風亭小朝 歌舞伎座特別公演』(七月二五日)は一夜限りのぜいたくな催し。玉三郎・小朝の顔合わせ公演はこれまでにも南座、松竹座で実施されているが、はじめての歌舞伎座、くわえて怪談『牡丹燈籠』をコラボ形式で初演するというので、チケットは即日完売の盛況である。 定刻十八時に出囃子ではなく片シャギリで幕が上がると、小朝(上手側)、玉三郎(下手側)が高座にひかえている。背景は秋草を描いた衝立一双。客席の照明を落とし、高座が浮き上がる玉三郎一流の空間設計。『牡丹燈籠』は小朝、玉三郎がそれぞれ持ちネタにしてきた演目だ。小朝は長い原作のうち「お札はがし」をレパートリーにして、数少ないCDにも入れている。玉三郎のほうは大西信行台本の『怪談牡丹燈籠』を繰り返し手がけ、仁左衛門、中車、愛之助が演じた歴代の伴蔵をそそのかし、結果的に萩原新三郎を死に追いやるお峰は、世話物における彼の当たり役のひとつと言ってもいいだろう。今回の上演は、お露新三郎の出会いからお札はがしまで。小朝が地の語りと萩原新三郎、伴蔵、幇間医者・山本志丈、占い師・白翁堂勇斎、良石和尚を受け持つ。たいする玉三郎はお露、お峰、女中のお米のセリフを語る。ともに衣装も化粧もなし、着流しで座布団に座った〈素噺〉である。物語は根津清水谷で蟄居している萩原新三郎を山本志丈が梅見に誘い出すところから幕を開け、その帰り道、お露と女中お米が暮らしている柳島の寮を訪ねる場面になる。志丈と新三郎が訪問するとお米が顔を出し、座敷にあげ「まぁ先生、なにか一口だけでも召し上がっていってください」と如才なくつなぐのだが、この玉三郎〈初役〉のお米が名品。閉塞した状況下での女の計算、飯島本家のお家騒動までも感じさせる含みのある人間で、今回の三役の中でいちばんおもしろかった。歌舞伎でのお米役はまだなさそうなので、これは一人で何役もやる高座ならではの楽しみである。小朝の語りが冴えるのはストーリーを推進する地語りで、新三郎が清水谷に帰ったあと脳裏に浮かぶお露の声が「新三郎さま、さま、さま・・・」とエコーで再生されるなどギャグも快調。こういうギャグからすっと江戸に還れるのは小朝の音感のよさゆえである。十三夜の晩、新三郎が縁側で月を見上げ「亡くなった母上に見られているようだ」と呟き、鐘が鳴り、遠くからカラン、コロン・・・・・・と下駄の音が響いてくる流れもすばらしく、この人は語りの音楽性がじつに高い。後段も「新三郎様はお心変わりをされました」という幽霊になったお米の凄みが効く。彼女に引っ張られ、伴蔵もお峰も奈落に墜ちていくことがよくわかる。百両をもらった伴蔵がお札をはがし、高窓からお露とお米の魂魄がすーっと家に入るところで幕切れになる。一席四十分。ケレンも早変わりもない人情噺に歌舞伎座の観客は集中して耳を傾けていた。休憩後は一転して『越路吹雪物語』。白いスーツの小朝が越路の生涯を彼女の箴言をまじえてひもとき、舞台奥の玉三郎がロングドレスで六曲唄う。約五十分。このタイトさも、いい。
劇評・『怪談 牡丹燈籠』(2024年7月25日歌舞伎座特別公演)和田尚久
プロフィール
◆坂東玉三郎
1957年12月東横ホール『寺子屋』の小太郎で坂東喜の字を名のり初舞台。1964年6月十四代目守田勘弥の養子となり、歌舞伎座『心中刃は氷の朔日』のおたまほかで五代目坂東玉三郎を襲名。泉鏡花の唯美的な世界の舞台化にも意欲的で、代表作の『天守物語』をはじめ数々の優れた舞台を創りあげてきた。また歌舞伎の枠を超えて、世界の芸術家まで大きな影響を与え、賞賛を得てきた。若くしてニューヨークのメトロポリタン歌劇場に招聘されて『鷺娘』を踊って絶賛されたのをはじめ、アンジェイ・ワイダやダニエル・シュミット、ヨーヨー・マなど世界の超一流の芸術家たちと多彩なコラボレーションを展開し、国際的に活躍。映画監督としても独自の映像美を創造。2012年9月に、歌舞伎女方として5人目となる重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定、また2013年にはフランス芸術文化章最高章「コマンドゥール」を受章した。
2014年紫綬褒章、2016年日本芸術院賞・恩賜賞、2018年松尾芸能賞・大賞
2019年岩谷時子賞、2019年高松宮殿下記念世界文化賞、2019年文化功労者認定、2019年日本藝術院会員など
◆春風亭小朝
1955年東京生まれ。1970年春風亭柳朝に入門。1980年36人を抜き、25歳で真打昇進。以来、落語界初の日本武道館独演会、歌舞伎座三夜独演会、新橋演舞場独演会、博品館劇場三十日間連続独演会などを成功させる。
俳優としては、新宿コマ劇場「恋や恋、浮かれ死神」の座長公演をはじめ、TV時代劇「三匹が斬る!」やNHK大河ドラマ「篤姫」近衛忠煕役、「軍師官兵衛」明智光秀役、「麒麟がくる」天台座主覚恕役での好演が光る。 クラシック音楽、JAZZにも造詣が深く、現在はBSテレ東「おんがく交差点」でMCを務めており、幅広く音楽や演奏家を紹介している。最近は、自らプロデュースする篠笛JAZZライヴや、独演会等で篠笛演奏を披露している。文筆活動としては、2022年に文藝春秋創立100周年記念の一冊として、小朝が菊池寛の短編を落語に仕立てた落語集「菊池寛が落語になる日」が上梓された。その他、国立劇場大劇場本公演にて、史上初の歌舞伎&落語公演「コラボ忠臣蔵」が一か月間上演され、各方面から注目された。近年は京都南座・大阪松竹座・歌舞伎座で人間国宝
坂東玉三郎と共演し話題となる。引き続き、共演公演が続く。伝統芸能落語を大切にしながら常に新しい試みに挑み続けている一方で、落語の普及・継承にも注力し、貢献している。
これまでに、放送演芸大賞、浅草芸能大賞、芸術選奨文部科学大臣賞、他多数受賞。2020年春、紫綬褒章受章。2022年2月第43回松尾芸能賞優秀賞受賞。
※日々の活動については、春風亭小朝のオフィシャルブログを御覧下さい。
※春風亭小朝オフィシャルブログ http://ameblo.jp/koasa-blog/
全国日程
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2025年7月6日(日) 15時30分 開演 (14時45分開場) |